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第11章72

 ボクサーブリーフ一枚になった諒はうつ伏せの麻也の上半身から揉み始めた。 が、麻也は、 「あ、諒、肩はそれくらいで…」 「じゃあ、あとは昨日みたいなカンジでいいのかな? 」 「うん…」 ためらっているような声だった…やっぱり本当は自分と抱き合いたいということでは…とりは思い、 ベッドの上の麻也の横に寝転がり、麻也を抱き寄せた。 「…諒、どしたの? 昨日と違う…」 この麻也の困ったような笑顔は計算したものだと思える。 だから諒も、 「だって麻也さんこそ、いつもと違うから…いつも以上に可愛いんだもん…」 麻也のはにかんでうつむいた様子に、諒は火をつけられてしまった。 もう、唇を貪らずにはいられない。 麻也の方からも激しく応えられ、しかし、その表情はもう可愛らしいと言うよりは、 欲望に堕ちていく天使のような凄惨な美しさに鋭い瞳で、諒はのぼりつめたくなってしまうほどだった。    が、どうにか、 「麻也さん、酒とマッサージは相性が悪いって。」 「それで? 」 耳元に響く麻也の声は何だか共犯者みたいだ。 が、麻也のプライドを傷つけないように、諒は麻也の手を自分のものに導いた。 「…こっちにしない…? 」 …すると麻也は、その手を離すと…  諒には、信じられなかった…  

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