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第11章の77

 ファンも知っている「物憂げな瞳の、儚さをたたえた美しいギタリスト」とは違う、 バンドのプロデューサーとしての熱すぎる姿がそこにはあったが…  諒は他のメンバーの困り切った表情を見て、ますます強く思う。  これって、麻也さんだけの問題じゃないのに…  アルバムのセールスのプレッシャーを、自分は麻也さんの健康問題とすりかえていた…?  いや、同居している恋人として、麻也の健康が何よりも大切なのは当たり前だが…  でも、特に、B面の曲を作った自分には、真樹や直人よりも責任があるように思えて、 諒は口を開いた。 「社長、麻也さん、申し訳ありません。 俺に限って言えば、セールスのプレッシャーを麻也さんに押し付けてた、 みたいなところがあって…」 「お前! 何で今そんなこと言うんだよ! 」 突然の麻也らしくない大声に、居合わせたメンバーもスタッフも真っ青になった。 それでも諒は、 「いや、でも、麻也さん…」 「結果が出なかったらすぐそういうこと言うの?! 」 そこに社長が落ち着いた声で割って入った。

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