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第11章の78
「麻也、どうしたんだよ。麻也らしくないよ。カン違いしてるよ。結果はまだ出てないんだ。これからだろ。
まあ、ミリオンばっかり言って、お前を酷使した俺も悪かったよ。謝るよ。こんな弱小事務所に転がってきた幸運に、
つい焦ってしまってな。」
すると直人も、
「80万枚って数字だって、俺には信じられない数字だし…」
真樹も落ち着いた口調で、
「俺も、自分が所属してるバンドの数字って思ったらびっくりだよ…
ここまでみんなで来られたことは大切に思わなきゃいけないと思うし、
体壊しながら走ってくれる兄貴にも…」
「すみません、ちょっと席外していいですか。」
「麻也さん…」
真樹のねぎらいもがカンに触ったのだろう。麻也は会議室を飛び出していき、諒もすぐに追った。
何だかこのままどこかへ行ってしまいそうで…
でもそれは諒の心配だけで終わった。
麻也はエレベーターをにらむようにして、壁にもたれてしゃがみこんでいた。
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