539 / 1053
第11章の81
「…え…? 」
「そういうことでしょ? 諒は? 」
いいけど、と言おうとしたところで、麻也がまた眉間にしわを寄せて、何か言いたげに口を開いた。
「あー…」
すると、それだけでわかるらしく、真樹は、
「じゃあ、諒ひとりで俺の部屋に泊まって。俺が兄貴のアシストするわ。」
「うー…」
「じゃあ、諒を直人のとこに預ける? 」
「んー…」
「じゃあ諒といればいいじゃん。」
真樹の穏やかな口調に、うんうんと諒は強力にうなずく。
すると麻也は、
「あー、じゃあ悪いけど諒、やっぱ、どっか泊まってきてくれる?
…っていうか、うーん…」
そこで諒は少し安心すると、何となく察して、
「わかった。今夜だけは麻也さんの方に求められなければ、
ヘンなことはしないから。寝るのもソファにするし。
それならいいでしょ? 」
「あ、じゃあそれで…」
思わず真樹が吹き出し、笑い出したところで、
「何やってんだ! 早く入れっ! 」
乱暴にドアが開くなり、社長に怒鳴られた…
ともだちにシェアしよう!