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第11章の83
麻也はあまり話したくなさそうだったが、冷蔵庫から缶ビールを1本取り出すと、
諒の隣にぴったりと座って、飲み始めた。
愛おしい、麻也のぬくもり…
何もしないと約束していたので、諒は泣きそうになりながらガマンしていたが、
せめて、麻也の肩に手をまわして抱き寄せるくらいしたかった。
すると、麻也の方が、諒の肩に腕をまわしてきて、キス…
それも、これまでにないほど、アグレッシブな、荒々しいキス…
諒は驚いてしまって、不覚にも、背もたれに体を押し付けられたまま、
女の子のように受け一方になってしまった。
でも、何となく、麻也の気持ちがわかるような気がして…
…麻也の顏が離れると…麻也はすごく雄々しい表情をしていて、諒はホレ直す気もしたが…
でも、その表情の中に、やっぱり、ちょっと傷ついた色があって…
だから、抱き寄せたかったのをぐっとこらえ…
「麻也さん、俺、思ったんだけどさ、その…麻也さんが俺の中に…
入ってくることがあってもいいと思うんだよね。」
今日の麻也のキレた原因の根底、いや、もしかすると、
この頃の不調の根底にあることのような気がして、諒は言ってみた。
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