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第12章の2

 山口のアイコンタクトになだめられ、最後まで取りあえず聴いたが… 「技術面が上がったねえ…」 としか言いようがなかった。 少し見どころがある、ギターの久保田には、自分の曲の中でやってほしいことを伝えたが…  …そんな時も、冬弥の熱い視線は感じる… (…まあ、高校生でも、本気ってのはあるだろうけど…ほんとに本気なの? 嫌だな…) 密かに麻也が困っていると、冬弥は麻也が久保田から離れたところを見計らって、 「あのっ、麻也さん、ボーカルにもアドバイスお願いします! 」 ますます麻也は困ってしまったが、 「うーん、一日一善! 」 きょとんとしている冬弥以外、言った本人の麻也も吹き出してしまった。 山口が笑いながら、 「何だ、恋愛とかすすめるんじゃないのかよ~…」 と言うと、麻也は苦し紛れに、 「いや、未成年だし、まずは人間として成長しないと…」 言えた義理かよ、と思いながら麻也が苦笑してしまうと、 冬弥は急に思いつめたような表情で、 「俺、彼女と別れました。だから麻也さん、俺がメジャーデビューしたら、 一回デートをお願いしま…」 「おーっ! 課長! 」 山口の大声に、冬弥の必死の告白はかき消され、 メンバーにはきつくたしなめられ、麻也には激しく無視された。

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