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第12章の4
「こう、素顔だと、さわやかな方だな、と。
王子様、って言われるのもわかるかなあ、って…」
「上品なんだけど、美少年系だから、帝王じゃなくて、王子様、なんだろうね。」
ほめられるのはなれっこの麻也もすっかりてれてしまった。
「麻也くん、今いくつ? 」
「…他のメンバーの2つ上で、26です。」
「でも、不思議な透明感があるから、青年、ていうより美少年なんだよなあ…」
おっとりした人柄がにじみ出る、ロマンスグレーの部長がそう言うと、山口が、
「でも、ステージの上でもテクはすごいでしょ? こんだけ華のあるギタリストはいないですよ。」
「そうそう。あと、あの、のけぞって弾くのなんかすごいよねえ。手足の長さにも恵まれてるから、
手をあげてポーズキメるのもかっこいいよねえ…」
「…なぜそこまで…」
「華なら<高貴な白百合>だなあ。」
課長はそう言うと、
「冬弥たちもね、なんかちょっと華があればね…
だから、2人で麻也くんの映像何度も、他のスタッフたちと見たんだよ。」
「どうですか、そこらは山口さんも、麻也くんも…? 」
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