「その…引き抜き。移籍して、ソロのボーカリストになりませんか、って、 急に迫られて…」 「えっ…？　」 麻也は驚いて、諒の腕の中で、諒の顏を見つめるばかりだった。 「で、もちろん断ったから、ウワサになる前に、 さっき須藤さんがようやくつかまったから通報したの。 で、明日、須藤さんと一緒に社長に報告に行くけど、 麻也さんも一緒に行く？　」 そこまで教えてもらい、麻也はややほっとしてうなずいた。が… 「でも…今日は山田さんと一緒じゃなかったの？　」 「それがさ、山田さんも気の毒で…」