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第12章の19

「社長、諒くんが、エステティシャンとトレーナーの面接をしたいって言ってるんですけど…」 須藤が持ちかけると社長は、 「どうせまたヘンな動機だろう? 麻也に手を出さないかとか…」 「ヘンじゃないですよ。麻也さんに触れる人間なんだし。マッサージだけなら俺いつもやってるし。」 (なぜ今それを言う…) 麻也は恥ずかしくて下を向いてしまった。 耳まで赤くなっていくのが自分でもわかった。 そして、その理由も…プレッシャーという原因も知られたくなくて、麻也は内心焦った。 「でも諒さん、トレーナーが施術するのはそんなエッチなマッサージじゃありませんよ。」 真顔で須藤が反論するのがおかしくてみんな爆笑してしまった。 諒も、俺だってそんなエッチばかりじゃ…と言いかけて、頬を染め、困って笑っていた… そんな<兄夫婦>を救おうと思ったのか、はい、と真樹が手を挙げ、 「内面からも健康でキレイになりたい! お弁当の改善も、お願いしまっす!」 と、話の流れを変えてくれた。 すると社長は、苦笑いをして、 「くーっ、東京ドームまでは金がかかるなあ…」

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