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第12章の27

 疲れ果てた2人が家に帰って、諒が先にシャワーを浴びている間に、 昼間のことを思い出した麻也は、あわてて鈴木に来週の立ち会いの時間を空けてくれるように電話した。 それから、自分の部屋の隅に放置してしまった、希亜良から預かった袋をリビングに持っていき、 大急ぎで中身を確認… (…せめて今夜は諒とたくさんキスしたいな…ベッドで短い時間でもぬくぬくしたい…) …なぜかそんな関係ない事を思いつき、そんな気持ちで、袋からビデオを出し、CDを出し…していると、 諒がシャワーを終えた気配がしたので、ビデオを見るのは今夜は諦めて、袋に戻すと、ソファのひじかけの陰に置いた。 そして、諒と入れ替わりでシャワーを浴びたのだが… …終わるとすぐにビールが飲みたくなったので、麻也がバスローブ姿でリビングに入ると… 同じくバスローブ姿の諒が、驚いたことに、怒りに震えんばかりの様子で、にらみつけてきたのだ。 「…諒? どうしたの…? 」 「…どうしたって!? 何だよこれっ!? 」 と、何枚もの紙を投げつけてくると、足早にリビングから出ていく。 麻也があわてて拾って内容を見ると、それは相原からのFAXと、希亜良からの手紙だった。 ―今日のデート、楽しかったです。来週も楽しみにしています… ―大好きな麻也お兄さまへ デビューできるなら何でもします。 よろしくお願いします。 あなたの希亜良より。 「何、これ…」 麻也はただただ驚くばかりだった。

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