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第12章の30
社長室では、社長と直人が待っていた。
きけば、直人にも諒は核心を話してはくれなかったので、
朝一番で社長のところにひっぱってきて、面談をさせてから取材に送り出したのだという。
「俺と一対一だっていうのに、まーだ何か隠すんだよなあ。俺も不安になるよ。」
そう聞くと麻也も不安になった。が、そこで直人が、
「じゃあ、俺、スタジオに行きます。あとはお2人だけの方がいいですよね? 」
「おう、何だか巻き込むだけ巻き込んで、悪いな。」
「直人、本当にごめんね。」
「いや、俺はいいけど、社長も麻也さんも気をつけて。すっごい疲れた顔してる。」
「おう、ありがとう。スタジオで時間出来たら焼肉おごるって真樹に言っておいて。」
「やったあ! ありがとうございます! 」
同じように疲れているはずなのに元気に出て行った直人に、麻也は拝みたいような気持だった。
社長と2人でソファで向かい合うと、社長は、
「まあ、ゆうべ、麻也に作詞家の女性から、デートの件でFAXが来たと。
さらにはリビングに、モデルの女の子からのラブレターみたいなものが落ちていたと。」
「はい…」
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