578 / 1053

第12章の31

「それにしても、麻也、ずいぶん無防備だったな。お前らしくないな。 諒の独占欲が強いのは俺も知ってるくらいなのに… まあ、その女性たちが勝手にのぼせ上がったんだとは思うけどさ…」 「そうなんです…もう、事故としか…」 「に、してもさ、諒に言わせれば、のぼせあがらせるスキを与える麻也が悪い、 ってことになるわけよ。」 「はあ…」 「で、それがトリガーになって諒は飛び出したんだけど、その前に、取材先の店で、 2人の人間から、麻也の行動を言われてたらしいんだな。」  麻也はびくっ、として、社長の顏を見てしまった。 どう思われたか気になった。やはり社長も不審そうな顔をしたが、まあ、話を続けてくれた。 「…ティールームで、あの木内さんに会って…」 …行きつけのバー「プロスト」で、麻也を見かけたのだが、 カウンターで年配の男性といい感じで話をしていたので、 話しかけられなかった。よろしく伝えてほしい…と。

ともだちにシェアしよう!