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第12章の36
取材が終わった諒は、スタジオに行くつもりだったのに、須藤に社長室に連れて行かれた。
疲れた体を引きずって…
そこで社長から、麻也の発言の一部始終を聞かされたが…その表情は晴れなかった。
「…何だよ、諒。麻也は最初で最後の恋人、とまで言ったんだぞ。」
「…ほんとかな…」
と、鼻白んだ顔つきをする。
社長はいつもの諒らしくないと不審に思い、
「諒、お前ヘンじゃないか? まさかヘンなクスリとか…」
「ええ、欲しいと思いますね! 洗いざらい麻也さんにしゃべらせる自白剤とかね! 」
そう言って諒は立ち上がり、無言のまま鋭い瞳で何かを訴えるように社長を見据えると、部屋を出て行こうと…
「諒! 話は終わってない! もっぺんここ座れ! 」
仕方なく諒は数歩戻って、また社長の前のソファに腰かけた。
「諒、お前こそ何を隠してるんだ? 」
諒は不意を突かれて動揺し、それを見た社長はヒートアップして、
「諒、今、口車に乗ってソロになっても、
お前の好きなことなんて、何にもできないぞ。」
「えっ…? 」
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