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第12章の47
須藤と一緒に諒がやってくるのをガラス戸の向こうに認めた麻也は、
休憩中の控室から飛び出していった。
「諒、昨日は本当にごめん。風邪とかひいてない? 」
「あ、ああ…」
諒の受け答えは、傷ついた麻也には冷ややかに思えた。
諒は控室に入ってみんなに歓迎されても、口の端に笑みを浮かべるばかり。
今日のメインである真樹のベースに関しては意見も言うが、
弁当の時間の雑談では珍しく無言で、事情を知らないスタジオのスタッフはともかく、
メンバーたちはお通夜のようになってしまった。
作業の方は早く進み、しかし、前倒しで翌日の分まで手をつけたために、
帰りは遅くなってしまったが…
メンバーとマネージャーたちの気づかわしげな視線に別れを告げると、
いつも通り諒と麻也は帰路についた…
…が、とにかく無言…
…部屋に着いてからも無言で、諒はさっさとシャワーを浴びに行ってしまった。
入れ替わりにシャワーを浴びた麻也が、バスルームを出て、リビングに入ってみると…
諒がソファの上で毛布をかぶって寝ていた。
黒のシルクのパジャマの背中が見えた。
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