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第12章の52

起き上がることさえおっくうな、倦怠感…激しいのどの痛み… ちょっと動くこともつらくて、ドアノブに手を伸ばすなんてとても… …そこに、ドタドタと誰かが急いでやってくる音が… 「麻也さん! どうしたんです!」 須藤と鈴木だった。 どの電話にかけても誰も出ないので、様子を見に来たのだという。 麻也は須藤に抱き起こされ、 「諒さんは? 諒さんに締め出されたんですか? 」 「アイツはそんなことしないよ…」 言うのもおっくうだったが、言ったらなぜか涙が… 須藤は麻也の額に手をあてると、 「やっぱり熱いか…とりあえず、玄関に入りましょう…」

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