599 / 1053
第12章の52
起き上がることさえおっくうな、倦怠感…激しいのどの痛み…
ちょっと動くこともつらくて、ドアノブに手を伸ばすなんてとても…
…そこに、ドタドタと誰かが急いでやってくる音が…
「麻也さん! どうしたんです!」
須藤と鈴木だった。
どの電話にかけても誰も出ないので、様子を見に来たのだという。
麻也は須藤に抱き起こされ、
「諒さんは? 諒さんに締め出されたんですか? 」
「アイツはそんなことしないよ…」
言うのもおっくうだったが、言ったらなぜか涙が…
須藤は麻也の額に手をあてると、
「やっぱり熱いか…とりあえず、玄関に入りましょう…」
ともだちにシェアしよう!