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第12章の56

 あらためて2人きりになり、ベッドに横たわって見つめあう形になると、 麻也は自分でもどうかなってしまいそうなくらい、胸が苦しくなった。 (諒、今、諒は俺のこと、どう思ってるの…) やつれていても美しい諒の、緑の瞳はまた優しさをたたえているようにも見えるが… 麻也は恥ずかしくなって、慌てて視線をそらした。 すると諒も苦しげな表情を浮かべると、麻也を見つめながら、必死で体を起こそうとする。 「麻也さん、俺…ごめん…」 「諒、だめだよ…」 そう言いながらも、安心している自分がいて…

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