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第12章の61

「…麻也さん…」 まだやっぱりつらそうに床に膝をついた諒は、 麻也の頬を愛しそうに撫でると、麻也の瞳をのぞき込み、 「ほんとに俺は麻也さんのこと愛してるんだからね。わかって。」 麻也は嬉しいけれど恥ずかしいので隠したくて口を結ぶ。 「…わかった? 」 心配そうにもう一度言われて、安心する。嬉しさMAX。 「…わかった。」 照れてしまって、麻也は、愛してるが言えない。 が、今日の諒にはお見通しなので安心だ。 「んもー、可愛い顔してー、ごほっ…」 そう言うと諒は、自分が倒れる前にと思ったらしく、かがみこんで、 麻也のベッドの下から例のびんを取り出して、にやりと笑いかけてきた。 「…えー、どうしてもお仕置きなの…? 」 麻也ががっかりした声を出すと、 「何をおっしゃる。これは愛の看病ですよぉ。 お楽しみのお仕置きはまだお預けだよん。」 「…何だよそれ…」

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