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第12章の64

「諒は何度あるの? 」 「40℃切ったばかり。」 「そっか、でも愛の力は強いんだねえ。」 直人はほめてくれたが、真樹は笑いながら、 「愛じゃなくてエロじゃねえのぉ? 」 「いくら麻也さんの弟さんでも失敬な…」 こんな時でも口の減らない諒の反論に、みんな大笑いした。 すると今度は一転して真樹はしんみりと、 「いやあ、諒もプレイに燃えすぎないで、体いたわってよ。 兄貴のためにもさ。」 それを聞いて、麻也も諒も嬉しそうな顔をする。 「プレイのやりすぎで、またケンカしないでね。」 そう直人も付け加えてくれると、もう時間だから、と2人は帰るという。 「来てくれてありがとね。風邪うつんないでね…」 諒の言葉に微笑むと、2人は次の仕事に向けて、病室を出て行った…  …リズム隊に励まされた2人だったが、さすがの諒の体力もそこまでで、 麻也のアシストをどうにか終えると、早々におやすみのキスをすませてベッドに戻った。  消灯の21時も、今日の2人には遅いくらいで、 それでも、いかにも具合の悪そうな諒が追加としてベッドの中から投げキッスをしてくれたが… 「麻也さーん…? 」 「なあに!? もー…」 「投げキッスのお返しないのぉ? ライブじゃ可愛い子めがけてやるクセに… 諒クンのこと愛してないのぉ? 」 ちょっとじらす元気が出てきただけだったのに… だから麻也は言ってみた。 「だって、諒、お仕置きしてくれなかったじゃん。」 すると諒は満面の笑みを浮かべ、 「なあんだ、待っててくれたの? もー、麻也さんてばエッチだなあ…」 (いったいどういうお仕置きだったんだろう…?) とはいうものの、面倒になってきた麻也は、そこで投げキッスをした… 途端に睡魔が…  次に目が覚めたのは、朝。 看護婦さんに、検温で起こされた時だったが… さすがに諒に夜這いされた形跡はなかった…

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