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第12章の72
麻也は諒のパジャマのボタンを途中まで外すと、諒の素肌の胸に頬をうずめ、
「諒、しばらく胸貸して♪…」
いつもの自分らしくないかも、と少し思った。風邪のせいでちょっとおかしくなっているのかもしれない。
でもそれでもかまわない、と、麻也はうっとりと頬をすり寄せた。
諒はすっかり照れてしまって、
「もう、麻也さんてば甘えんぼうだなあ…」
と言いながらも、大きな美しい手で、麻也の肩から背をそっと撫でてくれたが、
その手を止めると、
「…ね、麻也さん…」
「はにゃ? 」
「んもー、可愛いんだから…ねっ、俺にはおしり、貸して♪ 」
すると麻也は毛布から顔を出し、
「おしりだけでいいの? 」
それを聞いた諒は真っ赤になるやら舞い上がるやらで、
「昼からなんて大胆な…えっ、他もいいの? 」
「うーん、特別サービス。看病のお礼。」
でも珍しく、諒は麻也のパジャマのズボンに手は突っ込んだものの、
後ろと前を少し撫でただけでやめてしまった。
「あとは明日、きちんと仕事してからのごほうびに取っておくよ。」
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