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第12章の89

「あ、じゃあ、試奏と打ち合わせを…」 すると真樹が心配そうに、 「兄貴、病みあがりなんだから、夜中までとか頑張り過ぎないでね。」 「あ、そうだったね…」 「…やっぱり忘れてたんだ…」 メンバーたちの落胆をよそに、麻也は満面の笑顔で、 「それではみなさん、その間、ご自由に店内をご覧ください? あれ?」 麻也のその締まらない一声で、閉店時間までみんな散った… 「えっ? 恭一さん、これ入ったの? 弾きたい~」 「ねえ、須藤さん、俺もドラムソロの時、派手に回転するのどうだろう? 」 「…似合うねえ、責めたくなるねえ…」 「いいから諒、あっち行ってて。」

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