637 / 1053

第12章の90

 他に客がいなかったので、店内はディスグラご一行様の貸し切り状態でにぎやかになっていた。  が、閉店まではあと一時間。 店のスタッフは、まだ大丈夫と言ってはくれるが、 今日だけでは他の機材との相性テストが終わらないし、 諒と麻也の体調が心配なので、閉店時間で店を出ることにした。  残業があった前田と恭一を中抜けさせると、店の外で麻也はみんなに尋ねた。 「みんな何食べたいの? 」 リクエストはすぐには出なかった。それで真樹が、 「この近くなら、この前行った創作のどんぶり屋さんがいいんじゃない? 居酒屋でこのメンツだと、楽しくて長くなるから、今日はダメだと思うけど。」 「俺も麻也さんも風邪薬のんでるし、恭一さんと前田さんは勤務中だもんね…」 無理にすみません~とディスグラ組が謝ると、2人はいえいえ、と言い、恭一が、 「じゃあその店でお願いします! 」 と言ってくれたので、遠藤兄弟を先頭にみんなでその店を目指した…

ともだちにシェアしよう!