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第12章の91

「今日は特に、恭一と前田さんにごちそうしたいから。」 と麻也は宣言していたのだが… 「思えばあの店でこの人数入れたっけ? 」 「うーん、テーブル別れちゃってつまんないかもね… って、兄貴、名前だけ同じで居酒屋に…? 」 せっかく来たのだからとりあえず確認、と、2人が店先の看板やメニューを見ていると、諒たちも、 「なあに? 居酒屋さんに変身しちゃったの? 」 「うん、そうみたい…どうする? 」 困惑した麻也がみんなに尋ねていると… 「恭一さんたち、何見つけたんだろ? 」 麻也たちが近づいてみると、 <フォアグラ丼、始めました> の文字の下に美味しそうな写真のメニューが… 「恭一、これ食べたい? 」 「いやいや、こんな高いのなんて…」 「…でもその顔は食べたいって感じだよ。水くさいなあ。」 「いやいや、この人数だからいいよ…次回ってことで。」 「いや、ごちそうさせてよ。俺と諒の厄落としと思って、人助けで食べてよ。」 それを聞いた諒も恭一の手を引き、一行は居酒屋の中に入っていった。

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