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第12章の95

 …ジャケットがしわになっちゃうよ… そんな軽口も許されないようなムードの中、麻也はベッドの上に押し倒され、諒に貪られ始めた… こうして諒に強引に求められるのも、本当は好きだった。 愛されてる感、求められてる感が嬉しかったから… しかし、いつも以上に疲れていて、諒の気を引くように、駆け引きを仕掛けることもできない。 「…や…諒…あ…」 …ただ、声は…抑えてももれてしまう… 自分もいつもよりも疲れているだろうに、諒の求め方は激しく…でも、思うように麻也の体は動かない。 どうしたの? と尋ねれば、ますます諒が傷ついてしまうような気がして、訊けなかった。 「あ…諒…諒…」 諒はいつものように、「もっと声を出して…」とは言ってくれない。 こんなことは珍しかった。 麻也は必死に声を殺すタイプなので、いつも通りをこころがけたけれど…でも…ダメだ… でも、思わず、というのも許されない雰囲気で… でも、自分の中心は、熱く硬く、諒を求め始めているのがわかって、恥ずかしい…  諒に一糸まとわぬ姿にされ、同じ姿の諒が覆いかぶさってきた時も、 諒の瞳の中は暗く、麻也は本当に不安になった… それだけに、何としても諒を陥落させて、自分に抱きついたままにさせておきたい、と思ったのだが…

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