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第13章の14
「諒さん、先生、本当に申し訳ありません。
いくらディスグラが若手だからって、押し切られてしまって…」
諒は何と言ったらいいかわからず、口をぱくぱくさせていると、大橋が、
「俺たちなら大丈夫だから。30分で仕上げるから。」
「さ、30分~?! 」
諒は目を回してしまった…
…しかし、曲は、諒が小学校の頃から歌っていた、歌謡曲の大御所のラブバラードだった。
諒は須藤を元気づけようと、
「…だから須藤さん、大丈夫だって。ランドセル背負って歌ってたんだから。
それに俺は天下の諒サマなんだよ。さらに俺は本番に強い…けど、麻也さんいない、けど…」
…移動の車の中。
さっきのはどういう「本番」ですか、と須藤が大笑いしてくれたので、
「須藤さんも、えっちだなあ…」
と笑いながら諒もほっとしていた…
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