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第13章の17
諒としては歌う前まではかなり緊張したし、
一人での出演には慣れていないので心配だったのだが、
本番にはやっぱり強いのだ…
須藤も珍しく満点をくれた。
「麻也さんにも見せたかったですねえ…
諒さんはやっぱり日本一ですよ。世界一にもなれるかもしれない。
オンエアは録画してビデオ渡しますよ。
麻也さんも、とにかくまた倒れないでもらわないと…」
最後の言葉で諒はちょっと暗くなった。
愛情深い麻也は、どんなに忙しくても自分のことは気にかけてくれるのだ。
それが、今回のオンエアを忘れるかもしれないとは…
(たしかに麻也さんの体力もかなりヤバいよね…
今夜はせめていっぱい愛を注入しよう…)
でも、キスとギュー抱きくらいにしてあげないと…
とニヤニヤしながら楽屋に引き上げた諒も…
サーモンピンクの布張りのソファを見た途端、どっと疲れがこみあげてきて、
その上に座り込んでしまった…
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