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第13章の30
(麻也さん…努力を身内に見せるのも嫌な人…でも俺にはずっと…)
年上の頼りがいと、天使のような可愛らしさをまとった人。
それに…
(…実際に、浮気の現場を見たわけでもあるまいし…)
…と、すぐにシーツから出てくる麻也の裸身を想像してしまう諒であったが…
(でも、その横に誰がいようと、俺、びっくりするばかりだわ…)
それが実感だった。
でも、闇の部分を妻に隠したくて、女王様に通うなんて紳士の話も聞くし…
麻也にも<闇>があったら…
すると須藤は笑わせてくれようとしたらしく、
「そう言ってる諒さんこそ、気の迷いでもあの熟女に略奪されたら困りますよ。
ウチの事務所の名折れになりますからねっ。」
「絶対ない! なんで麻也さんというものがありながら、俺が他に目移りするの! 」
諒は須藤にさっきの話を悟られたくなくて、いつもの調子を無理やり作って答えた。
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