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第13章の40
そんな思いを抱えて、諒はじっとしていることすらできなかった。
が、さすがに疲れているので、テストも兼ねて、新しいベッドに寝てみることにした…
寝心地は悪くはなかったが、やっぱり胸の中がもやもやして、すぐに起き上がってしまった。
それに、この部屋だと、麻也が帰って来た時にわからないし…
(あー、もう、イライラする…)
それで、仕方なく、ピンクのパジャマ姿の諒はリビングで、
録りためていたテレビの美術番組を、心ここにあらずで眺めていた…
…キーの音、そしてドアの開く気配…
(…あ…やっぱり洗面所だ…)
以前なら、ごめんごめんと言って、いの一番にリビングに走り込んできたものだが…
いつからか麻也はまず洗面所に駆け込んで、山口のタバコの匂いをスプレーで消している。
そもそもそれも怪しいかも…
(まさか、あのガキのタバコじゃねえだろうな…)
そんなことを思うと、出迎えるために立ち上がるのも面倒になった。
すると、いかにも疲れを隠して作った笑みの麻也が、ドアを開けて顔を出した。
「ごめんね諒、寝ててよかったのに…」
「ああ…じゃあ、悪いけど、先に横になってるわ。
場所あけとくから、麻也さんも寝室で寝てね。
もらったベッドはセットしたけどね…」
と、言いながら、どうして俺は甘いかな、と思った瞬間に、
諒は麻也の胸元の異変に気づいた。
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