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第13章の41

「あれ、麻也さん、ペンダントどうしたの? 」 <2人の誓い>のペンダントがないのは大問題だ。 麻也も真っ青になっている。 「えーっ? 俺…落としたの…? 」 その反応に、おかしな話だが、諒は少しほっとした。 演技じゃない… 「だから、レプリカ作ろうって言ったのに…」 「うん。見つけたらすぐに…あっ…」 その時、麻也は何かを思い出したようで、バッグに手を突っ込んだが… 「…留め具が、ね、ゆるんでたから、落としたら困ると思って突っ込んだんだけど…」 諒はさらに気が付いて、言葉を失ってしまった。 (…なんで小指の指輪までないんだよ…) 「麻也さん、酔っぱらってるの? 指輪はどうしたの? 」 「あ…いや、スタジオで…」 諒は何だか嫌になって、 「いいよ、麻也さん、シャワーの後にでも探せばいいじゃん。 それじゃおやすみなさい。」 「あ…」 麻也が驚いているのを感じてかわいそうにも思ったが、 諒は気持ちの整理がつかなくて、寝室ではなく、自分の部屋に向かった…

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