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第13章の43
「…あー…熟睡中です…」
諒も絶望的な声になってしまったが、須藤も心得たもので、
―じゃあ、朝イチの件があるとだけ伝えてください。それじゃあ、後ほど、会議室で…
と、早々に電話を切った…
(…今日は会議室集合だったか…)
すっかり忘れていた。
…気づけば、麻也とまた2人っきりなわけで…
諒は、麻也が新しいベッドを使わなかったことを怒る前に、
これからどうしたものか途方に暮れた。
が、まずは社会人として、2人とも仕事に行かなければならないだろう。
家庭のことは、まずそれからだ…
(…っていうか、あのババアのせいじゃんよ…そう、俺たちは<家庭>も同然なの。
麻也さんの前の男がスゴくてももう関係ないはずだし、ボウズが告白してきても…)
ふと気づいて、諒は、ますます暗くなった。
(俺が外でも家でも生意気過ぎるのがダメなのかな…背伸びしてるっていうか…)
そんなことを考えながら麻也を見おろしてているうちに、諒はめまいがしてきた。
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