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第13章の44

 昨夜はほとんど眠れなかった。麻也のすべてを思い起こして… ベッドの中で一睡もしていないという場合でも、 人間は実は少しは寝ていると聞いたことがあるが… 電話に気づいた時は確かにうとうとしていたな、と諒は思い起こしていた。  ふらふらしながらも諒は麻也を起こそうと横に座り込んだが、 何だかイライラが戻ってきて、まずないことに、 麻也をやや乱暴に揺さぶってしまった。 が、これくらいで起きる麻也ではなかった。 それでさらに声をかけようとしたら、のどが詰まってうまく声が出ず、 今日のレコーディングはどうだろうと諒は不安にもなった。が、 「…麻也さん、麻也さん起きてってば…」 「うわっ! 諒っ! …もう寝られるの? 」 起きてくれても、諒は麻也の言葉にイラっとした。 「はあ? もう朝だよ! 何言ってんの?! 」 「悪いから、諒がベッドに入るの待ってたの…あれっ? 」 朝だということに気づき、やっと起き上がった麻也は、 髪がもしゃもしゃしていて可愛らしかったが… 「麻也さん、シャワー浴びなかったのっ? 」 「…あ…うん…」

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