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第13章の45

麻也も疲れが取れていない顔をしている。 きっと最初はベッドに寄りかかり、それから眠りに落ちて倒れ込んだのだろう。  もともとの睡眠時間も短い二人だが、こんな状態でレコーディングが乗り切れるのか… また諒は不安になったが…やるしかないのだ。 「麻也さん、何か食うもの用意するから、その間にシャワー浴びてなよ。」 すると、麻也はうつむいたまま首を横に振る。 「いや、俺はいい。」 「よくないよ! 俺たち人に会う商売でしょーが! 」 「いいから、もー! 」 うんざりしている麻也の顔を見て、諒ははっとした。 「それって、どっかで浴びてきたってこと? 」 「どうしてそんな話になるんだよ! いいじゃん、俺のシャワーなんて!  どーせ今日は身内しか会わないし! 」 さすがに麻也も怒り出したが、諒は、 「ポンコツバンドなのに、あんな遅くまで会議なんておかしいでしょ! ねえ、麻也さん、ほんとは誰かと浮気でもしてるんじゃないの? 」 それを聞いた麻也の目が、驚くほど見開かれるのを諒は見た。 後悔した。でも、諒のよく発達した口は次から次へと勝手に言葉を発していった。

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