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第13章の48

(俺まで<察してちゃん>だよ…)  でもそれはこの2人の関係の最初から始まってしまったことだ。  麻也の<つらかったこと>を<話さなくていい>と自分が言ったことから始まっていて… (でも確かに、そんなにつらいから、俺には見えないところで色々とゆがんでるのかな…) 人間は悪い方を信じてしまう生き物だ。 悔しいが、諒も響子の話にまた引きずられてしまう… 目の前の麻也はつらそうに、自分の次の言葉を待っているだけだった。  嫌な沈黙。  それを引き起こした自分も嫌になるが… (俺だけが悪いのか? ) いつしか麻也は、床に両手をつき、うつむいている。 「…麻也さん、気分悪いの? 」 麻也は返事をしなかったが、ふと見えた顔色はひどく悪かった。  しかし…

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