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第13章の60

 乾杯をしてほどなく、ディスグラ一行は主役のスタッフに呼ばれ、 写真家その人と話すことが出来た。 いつも世話になっているフォトグラファーたちと違い、 いかにも大御所らしく脂ぎったセンセイは、メンバーを見て、 「イギリスのミュージシャンみたいだ。いやいや本当にカッコいいね。日本のロックミュージシャンもここまできたか。」 と、グラスを片手に上機嫌だった。 脇に控えた、いかにもおハイソな、50代後半くらいに見える夫人も恥ずかしそうに含み笑いをしている。 すると先生は夫人を見やりながら、 「いやいやこの人がテレビ見ながら大声で、 <大変! あなた、この世のものとは思えない美形が歌ってる! > って、娘と一緒に騒ぎ出したもんだから…」 「恥ずかしながらファンでございます。 娘と一緒にファンクラブにも入りました。」 と、夫人は頭を下げてくる。 恐縮して諒が、求められるまま握手をすると、 メンバーや先生やスタッフ、須藤と入り乱れて握手会と名刺交換会になった。 「それじゃあ、撮影の打ち合わせ日は明日にでも電話させるから…」 先生は、さわやかで謙虚なメンバーの様子が気に入ったようで断言してくれた。

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