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第13章の61
次の来客が待っていたので、ディスグラ一行はその場を下がってきたが…
「麻也さん、少し休んだ方がいいんじゃない? 」
「うん。そうする。」
と、麻也は直人に連れられて行った…
麻也は腰かけると見知らぬ男性からシャンパングラスを受け取り、
話があっという間に盛り上がったようだった。
(麻也さん楽しそうだな…あとで話の中身聞きたいな…)
と、いつしか一人になっていた諒も、知らない男性に声をかけられた。
なんでもあの三田と大学も専攻も同じだったのだという。
年齢も同じぐらいに見えるがさほど親しくはないようだった。
確かに、親しかったら、その伝手で自分たちに会いに来ているだろう…
結局は、その彼は男性だが、諒のことが恋愛的に好きなファンのようで、
諒の連絡先を知りたい…くらいの気持ちのようだった。
そのくせ自分からは名刺などを渡してくるわけでもなく、
仕事も何なのか話さない。
諒はちょっとがっかりしてしまった。
男性のファンなら、もっと音楽性のことなどを話してほしかった気がしたし、
女の子のファンのように恋愛っぽいのが三田の同窓生というのがなんとも…。
それで、外ではめったにないことだが、
諒は一瞬でも暗い表情になってしまったのかもしれない。
何だか気まずい雰囲気になって、お互い最後には作り笑いでその場を離れた。
すると…
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