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★諒としこりができる麻也王子→18-77

 帰り道、鈴木に尋ねたところによると、メンバーが忙しすぎるのも原因だが、 特に諒がスタジオに行くのを嫌がったので、ビデオレターに落ち着いたのだという。 「…まあテレビは時間取られますからね…」 それにやっぱり諒さんは鈴音ちゃんに嫉妬してるんじゃないでしょうか、とも言う。 しかし、麻也はそれは鈴木のジョークで、やっぱり諒は最初から最後までこのローベル 絡みのようになってしまった展開が、悔しかったのだろうと思った。 その一方で、 (まさか…あの噂じゃないよね…) 不安になって麻也はまたその夜も諒と一緒に帰ってしまった。  自分の部屋で、諒にバレないタイミングで、 さらには諒とベッドに入る直前に薬を飲んで… ちょっと冗談ぽく、誘ってみた。 「…諒…あの鏡…使う? 」 「…ん…? 何で? 使わないよ…」 これまでだったら諒は乗ってきただろうが、 そんな雰囲気は微塵もなく、笑いも冗談も生まれない。  ただ、ベッドの中で自分を抱き寄せてくれる諒に、おざなりな様子が感じられないのには少し安心した…

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