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★どうにかコラボを終えた麻也王子→18-78

 言葉責めなどは諒のような性格には向いていると思うのに、自分に対してはあまりやろうとはしない。 諒はよくわかってくれているのだ。それをやれば終わりということが。 「…ごめん、麻也さん、もうこんな時間だから今日はチューだけで許して…」 と前置きはあったものの、キスは充分に濃厚だが… ちょっとした隙に諒は今度は、 「麻也さんごめん、俺、今日はもう限界…」 と言い、そして困ったように視線をそらし、 「…悪いけど俺、最近、ホントに疲れが取れなくて… ツアーまでずっとこんな感じになっちゃうかも…」 「ううん、、俺こうやって諒と一緒にいられるだけで満足だから…」 そう麻也が言うと、諒は疲れた笑みを浮かべ、軽く麻也の頬にキスをくれると、明かりを消した。 まあすぐに手を繋いではくれたのだが… しかし、例の応援ビデオの話ができる雰囲気ではなかった。  そんな中…  いつしか告知されていて、やめて~と悲鳴のようなファンレターも来ていた頃、 いつもの歌番組で、麻也と鈴音の一曲だけのコラボが放映された。  黒のスーツ姿のディスグラのメンバーの応援メッセージには、麻也も喜んだが、 ファンにも大ウケだった。  …もっとも、誰からも「諒クンだけ鈴音ちゃんにエールを送っていなかった」とか、 「表情が死んでいた」とか「会場まで行けなかったのか」とか指摘されたが…  演奏の方は、麻也が主役ではないので、元々麻也の顔のアップは少ない予定だったのだが、 やはりやつれが目立ったのだろう。予定以上にアップのカットは少なかった。

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