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★麻也王子と社長の書斎→18-80
その夜、仕事が終わって麻也が社長の家に着くと、
送ってきた鈴木も家の中に入るように言われ、社長の書斎に麻也も初めて入った。
書斎で社長にいきなり言われたのは、
「麻也、もし何なら病院変えるか? 」
「えっ…? 」
社長も珍しく苦り切った表情なのが麻也にもショックで、何も言えなくなった。
しかし、ツアー前、メンバーの体調が思わしくなく、
さらにはツアー途中で倒れてキャンセルすることにでもなれば、
メンバーのキャリアより先に事務所がつぶれてしまうだろう。
それを思えば仕方がないのだが…
ようやく鈴木が、
「でも社長前にも話しした通り、こういった症状は先生が言うには、
最低2週間様子を見てからじゃないと判断できないそうなんですよね。」
「それもわかるけど麻也がずっとすっきりしないのはどうなんだよって思うんだよ。
その先生ヤブなんじゃねーか、とかさ…」
その言葉を聞いて麻也は内心焦った。
思えばこの二人と出会ってから自分はずっと病人だった。
すべてはあのことのせいで、自分は悪くないのに…
それで麻也は苦しまぎれに例の、即効性のある薬の話をしてみた。
予想通り社長は真っ青になり、
「いくらなんでもそれは駄目だ。そんなの…」
そして社長は腕組みをしてしばらく考えると、
「俺としてはやっぱり病院を変えてみて、他の医者の見解も知った方がいいと思う。」
と言い、それで薬が変わったとしても最初の三日間はここで過ごせるのだからどうにかなるだろうとも言う。
今も辛い麻也は、ためしにその話に乗ってみることにした。
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