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★諒の電話が嬉しい麻也王子→18-83

「おい、無理するな…真知子ちゃんから聞いたけど、昼過ぎまで起きられないんだって? 」 それは事実なのだが、これ以上社長を心配させたくなくて、 「はい…でもまだ三日目なのでもう少し様子を見たいと思ってます。 それで諒に迎えに来てもらって今夜は家に帰ってみようかなって…」 言いながらも、この一家には申し訳ないなとは思ったが、その時一階から奥さんの声がした。 「麻也くんに、諒くんから電話よ―!」 麻也が戸惑っていると、社長が隣の公彦の部屋から子機を持ってきてくれた。 「諒のヤツ、どうしてうちの電話の方に…」 「俺が寝てて折り返しできなかったんで…」 と一応言ってはみたがバレバレだっただろう。 「…あ、ごめんね、諒。疲れが取れなくて寝てた…」 電話の向こうの諒はいつにないことに、麻也の大声にうんざりしたように無言になったが、 麻也は気づかないふりをして、 「メールありがとう。俺も帰りたいって思ってたんだ。」 すると諒は気を取り直したように、 ―俺もまだ実家なんだよね。じゃあこれから支度して出るから…  しかし、その日は夕食を一緒にとってもあまり話も進まず…  育児疲れの諒には相変わらず内緒で薬を飲んだ麻也もすぐ眠りに落ち…  しかし、翌日、麻也の14時起きは諒も驚かせてしまったのだ… 「麻也さん! もう遅刻しちゃうよ! 」 諒の強い力で何度も起こされるのだが、すぐに自分の意思に反して眠りに戻ってしまう。 それを何度も繰り返し…諒が部屋から出て行く気配でようやく起き上がった…が…

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