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★病気が取れない麻也王子→18-84
ややしばらくベッドの上に座り込んでから立ち上がってドアを開けかけると、
玄関で諒が誰かと話をしているのが聞こえたので、ドアをそうっと少しだけ開けて立ち聞き…
「…だからさ、今日さっそく麻也さんを病院に連れてってよ。」
「わかりました。そうします。」
諒と話していたのは鈴木だった。
話がうまくまとまったようなので、麻也はほっとしてドアを開けたが…
パジャマ姿なのが、鈴木相手でも何だか気が引けたが…
「麻也さん、今から鈴木さんと病院に行ってきて。心配だもん…」
振り返ってそういう諒の向こうで、上手くいきましたねと言いたげに鈴木が微笑みかけてくれ
ていた。
「これでこれからは隠れずに病院に行けますねえ…」
車の中で2人きりになると鈴木はほっとしたように言った。
しかし、麻也はだるい体をシートに持たせかけ、
「でもまだ病院変えて三日目なのに行ったって…」
「でもこんなに効きすぎているなら、何か別の薬を処方してもらえるかもしれませんよ。」
「うーん、そっか…」
しかし病院ではやはり医師は、もう少し様子を見てくださいの一点張りだった。
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