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★恋人卒業?の危機を感じる麻也王子→18-86

 スタジオでは病院に行ってきたとだけ言い、 家に帰って、ウソ話だが単なる軽い睡眠障害、と諒に告げた。 「…わかった。じゃあ毎日今日ぐらいの時間に、俺が麻也さんをぷっ叩いて起こせばいいのね? 」 「いや、あまり荒いのは困るんだけど…」 諒に恐縮しながらも、麻也は寂しさも感じていた。 (前ならキスで起こしてあげる、くらいは言ってくれたのにな…) 「…でも少しずつ起きる時間を早めていくってできないもんなのかな? 」 諒の言葉はもっともだ。でももう少し体をいたわってほしかった気もする… でも麻也は自然を装って、 「そうだね。その実験に協力してよ。」 とだけは答えた… (思えば最後に諒とチューしたの、いつだっけ…)  かなり寂しいものを感じて、でも、よく考えてみるとそう昔ではなかった…  悲しい気持ちで麻也はまた、寝る前の薬を自分の部屋でこっそりと飲んだ。 そしてベッドルームへ行ってみると、諒は間接照明の中で、 「麻也さん、よかったら久しぶりにマッサージするよ。」 と声をかけてくれた。 その口調はそう冷たくはなかったが、 もう恋人らしい甘やかな空気はなく、戦友とか同志、 とかに対してのもののように麻也には聞こえた。 しかし、せっかくの諒の気遣いだし、あのマッサージだけでもありがたいので、 頼むことにした。 (諒はもう俺に飽きちゃってんのかな…)  日本で最も華やかな容姿のボーカリストと称えられる諒だが、 プライベートの時、麻也の前では、無邪気な子犬のように可愛い。 オフの日の朝の光の下では特に、初めて結ばれた時の、 美青年、というより美少年といった風情のみずみずしさをいまだに麻也は感じている。 そのようなわけで、頼れる恋人ではあるけれど普段の麻也には、諒を胸に抱き取ってやりたい時がある…

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