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第13章の68

 しかし、肝心の直人はあまり盛り上がっていないようにも見えて、諒は心配になる… 隣の真樹は「大学時代の学食の話」で盛り上がっているようだが… そして、ふと美咲を見ると、彼女は小ぶりのシステム手帳に何事か書き付けている。 でも、諒の視線を感じると、手帳を膝に置き、シャンパンをひと口飲むと可愛らしく微笑む。 が、彼女は結構酔ってきているようで、諒は少し心配だ。しかし、 「じゃあ、諒さんの夢は? 」 尋ねられて、諒は言葉に一瞬詰まった。 <東京ドーム>と言うのは、何だか生々しい気がしたし、 何より麻也との大切な約束を彼女に明かすのはためらわれた。 それで、 「うーん、まずはロンドンでのレコーディングとライブかなあ。 7枚目のアルバムを出す時かなうかも、って感じなんだけど…」 「えー、じゃあ私、通訳やります! 」 と、美咲は身を乗り出すと、両手で諒の右腕を掴んだ。

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