722 / 1053
第13章の71
その時、宴を締めくくる乾杯が告げられ、メンバーも女性たちも、話を切り上げ、グラスを持って立ち上がることになった…
会がお開きになって志帆たちを見送ってからも、ややしばらく諒たちはドアのあたりで人に声をかけられ、
それが仕事につながりそうな人ばかりなので、須藤が名刺を差し出して営業をかけるのにつきあった。
ようやく会場から出て、
「じゃあ私はちょっと会社に寄りますので…今日は本当にお疲れ様でした。」
と、須藤は言い、すぐに、
「あ、そうだ、せっかくこんなに早く仕事が終わったんですから、早く帰ってゆっくり休んで下さいよ。」
と言い足すと、いつものようにタクシーを拾ってくれようとする。
が、直人が、
「あー、須藤さん、いいです。俺たち少し歩きたいんで。」
諒も真樹もニコニコしながらうなずいた。
須藤は少し不審そうな顔をしたが、じゃあケガや風邪には気を付けて、とだけ言うと、解放してくれた。
ともだちにシェアしよう!