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第13章の87
プレゼントというのは、三田にジュエリーデザイナーを新たに紹介してもらい、
絵の得意な真樹にも協力してもらって特注したアクセサリー2点セットだ。
(3日前にこんな破局ムードとはね…渡してもムダかな…
でも、高かったから、売ったら麻也さんのおこずかいにはなるのかな…)
久保田の携帯番号を訊いておけばよかった…などとも考えながら、
諒は自分の部屋に入って…
よろけて本棚にぶつかったところで、
雑誌がバサバサと2冊落ちてきた。
「あーっ、もう、こんな時にっ! 」
拾い上げるとそれは、専用の武器を持って駆け回る大人のゲーム・サバイバルゲームの雑誌だった。
麻也と真樹は子供時代の刑事ごっこの延長で室内サバゲーがいいと言い、
諒と直人とスタッフ陣は戦争ごっこの屋外がいいと言い…
忙しくてこの2冊を買っただけで中断してしまったのだ。
…それで、ひらめいた。
(…そういや<休戦協定>、なんて言葉もあるな…)
諒はわらをも掴む思いで、麻也に提案しに行こうと考えた。
それもすぐの方がいい。
少しばかりの今夜のシャンパンのせいで、
また悲観して外に飛び出されても困るし、
朝先に一人で出勤されても話せない。
諒は大きく深呼吸をすると、寝室に向かった。
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