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第14章の3

 ステージや何かで麻也と諒のくどいキスを見慣れたメンバーたちはただ笑っていたが、 初めて生で見た、肝心のレコーディングスタッフたちはドン引きになっている。  しかし、そんな雰囲気をものともせずに諒は、 「も~麻也さんたら足りないなんて~♪」 と、満面の笑みで自分のシャツのボタンに手をかける。 麻也も久しぶりに大笑いしながら止めてみた。 「諒、いいよ。あとはウチで美味しくいただくよ。」 「やったあ! 」 と諒はバンザイをして喜んだが… その瞳の中にはためらいのようなものがあるのを、麻也は見逃せなかった…

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