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第14章の4
とはいうものの、焼き肉弁当とケーキをたいらげて士気はあがり、
麻也と諒もお互いに休戦以上の穏やかなムードになった気がしたので、
作業は順調に進んだ。
それで、このところの疲れも取りたくて、この日はみんな早く上がることになった。
「あー、おかげさまで楽しかった…」
スタジオを出る時もみんなには言ったけれど、
家の玄関に着いた時も、麻也は大きな声が出てしまった…
2人きりのタクシーの中では、何となく無言だった。
2人だけになれば<休戦協定>という言葉に真面目すぎる感じで…
(この前の武道館の帰りくらいキラキラした夜になってくれたらよかったのに…)
麻也は少し寂しかったが…
でも、玄関では諒の雰囲気が少しほどけたように見えたので、麻也はいつもっぽい口調で言ってみた。
「りょお、今日はありがとね…」
「いえいえどういたしまして…あっ! リボン忘れてきたっ!!! 」
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