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第14章の5
麻也が諒の部屋のドアの前で待っていると、諒は青のラッピングにくるまれ、
白のリボンがかかった二つの小さい包みを差し出してぺこ、っと頭を下げてきた。
「麻也さん、お誕生日おめでとうございます。よろしかったら受け取って下さい。」
やや長細い箱と、小さい箱…ペンダントとか指輪とか…?
麻也は本当に嬉しくて、王子キャラも忘れていた。
「ええ~? なあに? 開けてもいい? 」
「どうぞどうぞ。」
と、諒はリビングを手で指し示したが、いつものように一緒についてくる気配がないので、
麻也は思い切って手を引っ張ってリビングに入れた。
そして、ソファの上で2人並んで座ると、麻也は丁寧にラッピングをほどき始めた…
高級な長めの青いベルベットの箱から出てきたのは…
「ええっ、何これ、すごい…こんなのイギリス王室のテレビとかでしか見たことないよっ!! 」
麻也が思わず持ち上げたのは、イエローゴールドに包まれた葉のような形の小さなたくさんのペリドットが首元を飾るチョーカーだった。
「葉っぱみたいで可愛いでしょ? 」
「そうだけど…でも、俺にはたくさんの諒の眼に見えて嬉しい。」
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