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第14章の9
諒の睡魔はかなり強いものらしく、ドアにぶつかりながら、それでもバスローブを羽織って廊下を走って行った。
動いていれば起きて待っていられると思ったのだろう。
麻也も手早くシャワーを済ませ、急いでドライヤーも済ませると、明かりのもれているベッドルームに…入って行った…
…と…
(…こうくるか…)
そこには、ライトの位置を変え、スタンドミラーの位置まで変えて、
久しぶりのポラロイドカメラを楽しそうにいじっている諒の姿があった…
「麻也さん、ミネラルウォーターで良かったかな? 」
「…あ、ありがと…」
「ひと息ついたら教えて。チョーカーもアンクレットもつけてあげる♪ 」
「…それで、記念撮影…? 何着るの?」
すると諒は怪訝そうな顔で、
「えっ? 裸でいいじゃない。麻也さんの王子様らしさが究極になるよ。」
麻也にはそうは思えなかった。
「…裸族の跡継ぎの誕生日じゃないの…? 」
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