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第14章の10

「…ったくもー、真樹にも立ち会ってもらえばよかったな…」 カメラを持ったまま、キョロキョロしながら諒は言う。 「何で真樹なんだよ…? 」 「ん? モノクロのドキュメントみたいの撮りたいから… 麻也さんの着替えを手伝ってる人とか欲しかったの… あと、昼間の写真もいいよねえ~♪ 」 日頃、うんざりするくらい現場で写真の被写体になっている麻也も、 諒に撮られるのはまんざらでもない。 しかし、しかし… 気づけばもうかなり遅い時間になっているのに、 諒のプランはふくらみ、話も長くなりそうだ。 「諒、悪いけど、この時間じゃそれはできないでしょ?  だから、チョーカーとアンクレットと俺、の記念の写真だけで今日は終わりにしようよ。」 「えー、麻也さん、俺もう少し撮りたい! 」 眠くなってきた麻也は、そう言いながら諒もかなり疲れているのを見澄まして、 安心して王手を打った。 「諒っ! もたもたしてるとエッチできないじゃん! 」 しかし瞬時に跳ね返された。 「そうそう、マドンナのジャケ写真みたいな、 えっち後のけだるそうな麻也さんも撮りたかったの… そっか、リアリティのために…」 諒の真顔にがっかりして、バスローブのまま麻也はベッドに倒れこんだ… 「…あ、そうだ、朝してみるのもどうぉ? その後に撮るの…まどろむ麻也さんが…」 もう勝手にしてくれ…

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