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第14章の21
諒は麻也の言葉には耳を貸さなかったが、
何気なく振り返ってテンションが急に下がったのには、
麻也の方がびっくりした。
「どうしたの? 」
麻也がおそるおそる尋ねると、諒は、
「いや…、麻也さん、あの鏡も使えばよかったね…」
と、いつもは全身チェック用に使っていて、さっき動かした鏡に目をやっている。
「いいよ。うるさい写真になっちゃうから。」
「いや、写真じゃなくて、えっち用…」
「ごめん、俺もう寝る…」
「麻也さ~ん! …もう…冷たい…」
諒にはもうかまわず、麻也は勢いよく寝転がった。
カメラを片づけるためにベッドから降りた諒は、今度はライティングに凝りたいと言いだし、
諒のコンセプトにはどうかな? と答…え…た…
「麻也さん! 麻也さん! 12時っ!! 」
「えーっ!!! 」
諒に叩き起こされて、麻也は真っ青になって飛び起きた。
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