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第15章<幻の麻美姫さま>の1

…プロならばよくあることなのだろうが… クリスマスをやや過ぎて、ようやく明け方にアルバムの音源が仕上がったことも遠い昔のような… 次の日からまた麻也たちメンバーは、正月明けにリリースされる7枚目のシングルのプロモーションにまわっていて、 「ファンにとってはお年玉ですね~」 の言葉を何度ももらい… 2月の頭には仕上がったばかりの4枚目のアルバムが出るので、 「ファンにとってはバレンタインデーのプレゼントですね~」 という言葉もたくさんもらい… 「そのアルバムをひっさげて全国ツアーですね? 」 ともいやというほど訊かれ…  まあ、ボーカルの諒は他の3人以上にそれらを体験しているわけだろうが… それで疲れ過ぎているのか、諒は最近機嫌が悪い。 麻也も疲れがピークに達しているので、それに向き合う余裕もなく、 かといってほかのメンバーやマネージャーたちに麻也から頼むのもおかしな話なので、 できない… それで…麻也は年内は、皮肉なことに出稼ぎ仕事に逃げていた。 先輩プロデューサーの山口と、スナイカーズのギターの久保田との雑談が楽しかった。

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